温暖化対策に関するシンポジウム


2017年12月15日(金)に、東京日本橋にある「早稲田大学WASEDA NEOホール」において、「パリ協定とカーボンプライシング-各国の政策動向と日本の長期削減目標に向けて-」という温暖化対策に関するシンポジウムが開催されます。誰でも申し込めば参加できるシンポジウムです。

私も参加し、「環境税制の改革:どうなる経済影響」というタイトルの発表をします。カーボンプライシング導入の際に同時に税制を改革することで、経済的な影響がどう変わるかを分析した研究(いわゆる二重の配当の分析についての研究)を紹介するような内容です。

シンポジウムのプログラムや参加の登録については「こちらのページ」をご覧ください。また、↓にパンフレットもありますので、ご覧ください。


パンフレット:「早稲田_カーホンフライシング・シンポジウム」


京都産業大学の写真(2017年11月)


Flickrにおいてある写真。外にあまり出かけないので、大学の写真、もしくは大学から見える景色の写真ばかりになってしまいました。同じ場所をとったものばかりです。

「京都産業大学の写真」


国境調整措置に関する論文のシミュレーションのプログラム


昔、温暖化対策の国境調整措置について以下のような論文を書きました。

  • Takeda, S., Tetsuya, H., & Arimura, T. H. (2012). A Computable General Equilibrium Analysis of Border Adjustments Under the Cap-and-Trade System: A Case Study of the Japanese Economy. Climate Change Economics, 03(01), http://dx.doi.org/10.1142/S2010007812500030.

この論文のシミュレーションはGAMSを利用しておこなっています。そのシミュレーションのプログラムをhttp://shirotakeda.org/en/research/cge_ba.htmlというページに置きました。

論文でもそれなりに詳しい説明をしていますが、論文だけではモデルやデータについて詳しくはわかりません。プログラムを読めば、モデル、データの詳細を把握し、どのようなシミュレーションをおこなっているのか深く理解することができます。


大学の猿と鹿


京都産業大学は山の斜面に建っていて、後ろは山です。


それもあって、動物がよく出てきます。

鹿。



猿。



他にもイノシシやリスを見たことがあります。


新しい GTAPinGAMS(GTAP9用)


もうリリースされてからかなり経つのですが、

LANZ, Bruno; RUTHERFORD, Thomas F. GTAPinGAMS: Multiregional and Small Open Economy Models. Journal of Global Economic Analysis, [S.l.], v. 1, n. 2, p. 1-77, dec. 2016. ISSN 2377-2999. Available at: https://jgea.org/resources/jgea/ojs/index.php/jgea/article/view/38. Date accessed: 21 may 2017. doi: http://dx.doi.org/10.21642/JGEA.010201AF.
という論文のページに新しい GTAPinGAMS が置いてあります。

GTAPinGAMS とは CGE 分析の研究者として著名な Wisconsin 大学の Thomas F. Rutherford 教授らが作成している GAMS 用のプログラムで

  • GTAP データを GAMS で利用するためのデータ変換・調整用のプログラム
  • シミュレーションのサンプルプログラム

の二つから構成されるものです。CGE 分析において GTAP データを利用するが、プログラムは GAMS で作成したいという人にとっては非常に便利なツールです。私もずっと昔から利用させてもらっています。

現在の最新の GTAP データは GTAP9 データで、GTAP9 データに対応した GTAPinGAMSは既に公開されていましたが、上のページに置いてある新しい GTAPinGAMS では修正と追加的なプログラムが加えられています。特に、「シミュレーションのサンプルプログラム」には二つの大きな改善が加えられています。

以前のサンプルプログラムでは、代表的家計の効用関数に CES 関数を仮定した多地域モデルしか提供されていなかったのですが(それだけでも有用なものでしたが)、新しい GTAPinGAMS では次のようにモデルの設定を選択できるようになっています。

  • 1) GTAPモデルのようなグローバル多地域(global multi-region)モデルに加えて、小国開放(small open economy)モデルも選択可能
  • 2) 消費者の需要の表現として、これまでの CES 型効用関数に加え、「LES(linear expenditure system)」、GTAPモデルで利用されている「CDE(constant difference)関数」も選択可能

まず、1) についてですが、これまでのモデルでは政策を導入したときに、その政策の直接的な効果に加えて、「交易条件効果」という間接的な効果も生じてしまい、どれだけが直接的な効果によるもので、どれだけが間接的な効果によるものかを判断することが難しかったのですが、小国の設定にしてシミュレーションをすることで交易条件効果を除外することができるので、直接的な効果がどれだけかを明かにできるようになっています。また、2) については、温暖化対策を分析する多地域 CGE モデルでは LES を仮定するものが多いですし、GTAP モデルでは CDE 関数を仮定していることから、著名なモデルと同じ設定を容易に試すことが可能になっています。どちらもシミュレーション分析をする際に非常に役に立つ修正だと思います。

他にも以前のバージョンからの細かい修正点として、データの変換・統合プログラムの修正があります。これまではデータを変換したり、統合したりするコードを実行するのに DOS のバッチファイル(その中で GAMS を呼出すプログラム)を実行するという形になっていましたが、新しい版では全て通常の gms ファイルを GAMS で実行するという形になっています。モデルは通常の MCP ソルバー用に書かれたものと、MPSGE 用に書かれたものの二つが提供されています。

説明書もプログラムもかなり長いので読むのが大変ですが、GAMSでGTAPデータを用いた多地域CGEモデルのシミュレーションをしたい人にはすごく役に立つものだと思います。


新しいシミュレーションの論文とそのプログラム


以下の論文を書きました。

武田史郎(2017)「排出量取引と自主的行動によるCO2削減の効果-応用一般均衡 モデルによる分析-」,『環境科学会誌』,30(2),pp.141-149
http://doi.org/10.11353/sesj.30.141

これは応用一般均衡モデルを用いて次の二つを分析した研究です。

  • 排出量取引によるCO2削減策において、排出量取引の対象部門を制限することの影響
  • 企業の自主的なCO2削減と排出量取引によるCO2削減の比較

短い論文ですので、もし興味がある方は直接論文を読んでいただきたいのですが、応用一般均衡分析で「企業の自主的な削減」を分析している研究はあまりないと思います。ただし、私のモデルの想定が「企業の自主的な削減」を適切に表せているか議論のあるところですが。


この論文のシミュレーションは GAMS を用いておこなっています。以下のページにシミュレーションのプログラムを置いています。

「排出量取引と自主的行動によるCO2削減の効果」

やはりプログラムを見たり、シミュレーションの出力結果を細かく分析しないと、シミュレーションが本当に適切に行なわれているのかどうかを判断することは難しいと思います。たいしたシミュレーションをしているわけではないですが、こういうことに興味がある人には少しは参考になると思います。シミューレションでどこかおかしいところがありましたら教えてください。

プログラムの一部(これはEmacs上でプログラムを開いている状況をhtmlファイルに出力したものです)


CGE 分析の特徴、利点、欠点


「応用一般均衡(CGE)分析の解説文書」というページで、CGE 分析(応用一般均衡分析)の解説をしています。これらの文書を読めば CGE モデルを作成して、CGE 分析をできるようになると思います。しかし、そもそも CGE 分析をおこなう利点、必要性については説明していないです。

いずれ、他の分析手法、モデルと比較しながら、

  • 1) CGE 分析の特徴
  • 2) CGE 分析の利点、欠点、問題点
等について包括的に説明する文書を書きたいと思っています。

しかし、動学モデルや多地域モデル等のトピックを説明した後の方が書きやすいので、実際に書くのにはまだ時間がかかりそうです。

一応、これまでにも 1)、2) のようなことについて書いたことはあります。例えば、以下の本や論文で書いています。

ただ、本や論文は字数に制限があったので内容を削らざるを得ず、詳しく説明できているとは言えないです。

そもそも CGE 分析の特徴、利点、欠点について把握しないで、CGE 分析の勉強をしてもあまり意味がありませんから、このテーマについていずれ詳しく書きたいと思っています。


応用一般均衡(CGE)分析の解説文書(2017-04-02)


「応用一般均衡(CGE)分析の解説文書」に Part 15 を追加しました。Part 14 までずっと仮想的なデータを用いたモデルでしたが、ここでやっと日本のデータを用いた CGE モデルを作成しています。

実際のデータを利用したモデルを作成する説明ができたということで、ここで一区切りにはなると思いますが、他にも追加したい内容がいっぱいありますのでまだ続きます。ただし、大学の新しい学期が始まって授業が忙しくなりますから、続きを書くのはまだちょっと先になると思いますが。


オカムラの Swift(上下昇降デスク)


Swift(スイフト)という机があります。→ 「Swift(スイフト)」

オカムラ(岡村製作所)の製品です。リンク先の説明をみればわかりますが、高さを自由に変更できる机で、最高で125㎝まで上げられるので、立って利用することも可能な机です。職場でこれを使っています。↓のような感じです。

P8020136 P8020131 P8020130 P6260396 Swift P3310008 Swift P3310006 Swift P3310012

2016年春に購入し、使い始めてから1年くらいたっているので、使ってみた感想等を書きたいと思います。

Swiftにはサイズ、色がいろいろありますが、私が使っているのは「幅160c×奥行80cm」のサイズで、色が「天板がネオウッド、足がホワイト」のものです。

立って利用するためのスタンディングデスクはいろいろあると思いますが、Swiftの特徴は、電動で天板を上げ下げできるので立っても座っても利用できることだと思います。その分、価格は高いですが。

購入した理由

一応、私が Swift を購入した理由を書いておくと、購入した当時椎間板ヘルニアで椅子に座っているとお尻が痛くなるので、立って仕事ができるようにということです。健康のためとか、座るのがいやだとかではなくて、立ってないと仕事ができないので仕方なくという消極的な理由です。

他にもスタンディングデスクはありますが、Swift のように昇降可能なものにしたのは、スタンディングデスクを探しているときにたまたま Swiftのような昇降可能なものを使っている人を見て、いいなと思ったからです。それはアメリカで見たので海外の製品でしたが。

立って使う時間

立っても座っても使えるのですが、それでは実際私がどれくらい立って使っているかというと、机の利用時間のせいぜい10%~20%程度だと思います。購入した当時はヘルニアのせいで立って使うことが多かったのですが、現在は症状も治まったので、普通に座って利用することが多いです。やっぱり(当たり前ですが)ずっと立っていると疲れますし足も痛くなりますので、座って使うことが多いです。ただ、短い時間でしたら疲れませんし、気分転換にもなりますので、少しは立って使っているような感じです。

Swift を座って使うメリット

座って使うことが多いのなら、わざわざ高いお金を出して Swift を購入したメリットがないかと思われるかもしれません。確かに10%~20%程度の時間しか立って使わないのなら大きいメリットがあるとは言えないかもしれません。

ただ、座って使う場合でも Swift のメリットはありました。私は Swift を購入する前は、ごく普通の高さ70㎝強の机を利用していました。高さを調整しようがないので、それをそのまま何の疑問もなく利用していましたが、Swiftを使うようになり、いろいろ高さを調整しているうちに、私にとっては80㎝くらいの高さの机がすごくしっくりくることに気が付きました(私は身長180cmですが、背が高い人なら同じような人は実は結構いるのではないかと思います)。

最近は座っているときでも80㎝くらいの高さにして使っています。Swiftは自由に高さが調整できますから座って使うときの高さも自分に最適な高さに調整できます。立って使うことができるというのがSwiftの一番の特徴だと思いますが、座って使うときの高さも自由に調整できるという点もよいところだと思います。これは使ってみて始めて気づきました。

大きさについて

上で書いたように、「幅160c×奥行80cm」のサイズのものを使っています。購入するときにはもう少し小さいサイズにしようか迷ったのですが、実際に使ってみたらちょうどよかったです。写真を見ればわかるように二台液晶ディスプレイを置いているせいかもしれません。購入を検討したい人はオカムラのショールームに行って、実物を見てサイズを確認するのがよいと思います。

高さについて

天板の高さは「65cm〜125cm」の範囲で調整できます。私は立って使うときには125cmにして使います。つまり、目一杯高くして使っているということです。身長 180cm の私が125cmの設定にするので、もっと背が高い人には目一杯天板を上げても低すぎるかもしれません。これもあるので、やはり購入するときには実物を確認してからにしたほうがよいと思います。

ただ、 「スタンディングデスクでの最適な机の高さの自動計算ページ」 | Bauhütte® で身長180㎝に設定して計算すると最適な高さは「105cm~110㎝」になります。私は125㎝が気に入っているのですが、一般的な基準からすると身長180cmで高さ125cmは高すぎるのかもしれません。

引き出し

引き出しがないです。ただし、小型の引き出しをオプションで追加できます。やっぱり引き出しがないと不便だと思います。

価格について

電動で昇降できるという机なので高くなるのは当たり前なのでしょうが、やっぱり高いですね。私は15万円くらいで買いました(職場で利用していますが、自腹です)。

それと一つ注意点は、組立費用が別途必要になるかもしれないということです。私のときは組立費用が2万円かかりました。確かに自分で組み立てるのは難しいと思うのですが、そんなにかかるとは思いませんでした。合計15万+2万円=17万円です。これだけ出して、結局気に入らなかったでは困るので、よく考えて買ったほうがよいと思います。

ショールーム

なんせ高いですから、購入を検討する人は、大きさ、高さ、色等を実物を見て確認した方がよいと思います。私が買ったときには普通の家具屋には展示していなくて、オカムラのショールームでしか見れませんでした。大阪の梅田にショールームがあるので見学に行ったのですが、梅田には Swift の品揃えが少なくて、自分が買いたいと思っていたサイズが確認できませんでした(椅子だったら梅田でもたくさんあります)。

東京のホテル・ニューオータニにもっと大きいショールームがあるというので、東京に出張に行ったついでに見に行きました。東京のショールームには Swift もいろいろなサイズが置いてあり、そこで細かい点を確認することができました。行くのなら東京のショールームがお薦めです。

メンテナンスについて

今のところは全くありませんが、稼働部分(モーター?)があるので故障もありうると思います。高さを変更している途中に故障で止まるようなことがあると困ります。まあ、故障しないよう祈ります。それと今のところ予定はありませんが、移動させたるために分解することは自分ではできそうにないです。

感想

元々はヘルニアのため仕方なく購入したというものですが、立っても仕事ができますし、座って使う場合でも自由に高さを調整できるということで、製品自体は一応気に入っています。長く使えるとよいのですが。


jecon.bst + TeXのマクロによるカスタマイズ


jecon.bst をカスタマイズしながら利用すると、参考文献部分(と引用部分の一部)の形式をいろいろ変更できるのですが、変更できないところもあります。

よく聞かれるのが、参考文献の部分の各文献の2行目以降のインデント幅を変える方法です。例で説明すると、 jecon-alt.pdf の参考文献部分の1つ目の文献の「under」から始まる行、3つ目の文献の「http」から始まる行のインデント幅のことです。これは jecon.bst では変更できないです。というのは、このインデント幅を制御しているのは bst ファイルではなく、natbib.sty(natbib パッケージ)の方だからです。例えば、「各文献の 2 行目以降のインデントを「2文字分」に変更」したいときには TeX ファイルの方のプリアンプの

\usepackage{natbib}
の後に
\setlength{\bibhang}{2em}
と追加すればよいです。\bibhang は natbib パケージ内で定義されている長さです。



bst ファイルを変更することで参考文献部分の形式はかなり自由に変更できますが、引用部分については一部の例外を除いて変更が難しいです。変更可能なのは、例えば、複数人の著者を略す形式です。natbib で著者数が 3 人以上の文献を引用するとき、二人目以降の著者は略されてしまいます。「今井・宇沢・小宮・根岸・村上 (1972)」という文献が「今井他 (1972)」のように表記されるということです。

上の例では「他」として略していますが、これを例えば「ほか」ですとか、「ら」に変更することは可能です。しかし、引用する命令によって「ほか」と「ら」を使い分けるというようなことはできないです。例えば、\citet 命令を用いるときは「ほか」で略して、 \citep 命令で引用するときには「ら」で略すというようなことです。 これは jecon.bst に限った話ではなく、natbib.sty を前提とする bst ファイル全てに言えることだと思います。

しかし、bst ファイルの修正だけではなくTeX のマクロも使えば、上のような使い分けもできます。それには、まず、jecon.bst ファイルで次のように設定します。

FUNCTION {bst.and.others.jp}
{ "\andothers" }    % (default)

つまり、上で「他」と指定している文字列を「\andothers」という文字列に指定するというこです。


そして、TeX のファイルのプリアンプルに次のコードを追加します。
\usepackage{natbib}
\usepackage{ifthen}
\makeatletter
\DeclareRobustCommand\andothers{\ifthenelse{\boolean{NAT@swa}}{ほか}{ら}}
\makeatother

これで \citet命令を用いるときは「ほか」で略して、\citep命令で引用するときには「ら」で略すという動作になります。例 → jecon-alt.pdf。 上のコードでは \citet 命令が使われたときは \andothers 命令が「ほか」を出力し、\citep 命令が使われたときには \andothers が「ら」を出力するということになるようです。

サンプルのプログラム → jecon-alt.zip


私自身は TeX のマクロに詳しくないので、このようなカスタマイズができるとは知りませんでしたが、以前に TeX のマクロに詳しい方にこのようなやり方を教えていただきました。TeX のマクロの修正も可能ならもっと多様なカスタマイズができるのかもしれません。