一般均衡モデルにおける価格の 0 次同次性(その二)


その一 & その三

(続き)これを確かめてみましょう。

 \displaystyle c_{i}(\tilde{w}) =  c_{i}(\lambda w^{*})

ですが、単位費用関数 c_{i}(w) の投入物価格についての一次同次性より

 \displaystyle  c_{i}(\lambda w^{*}) = \lambda c_{i}(w^{*}) = \lambda p^{*}_{i} = \tilde{p}_{i}

となります。また、c_{i}(w)の一次同次性より\partial c_{i}(w)/\partial w_{f}はゼロ次同次と なりますから、

 \displaystyle  \sum_{i} \frac{c_{i}(\lambda w^{*})}{w_{f}} y^{*}_{i} = \sum_{i} \frac{c_{i}(w^{*})}{w_{f}} y^{*}_{i} =  e_{f}

が成り立ちます。次に、

 \displaystyle  d_{i} (\tilde{p},\tilde{m}) =   d_{i} (\lambda p^{*},\lambda m^{*})

ですが、今度はマーシャルの需要関数の価格と所得についての 0 次同次性より

 \displaystyle  d_{i} (\lambda p^{*},\lambda m^{*}) = d_{i} (p^{*},m^{*}) = y^{*}_{i}

が成り立ちます。

最後に、

 \displaystyle  \tilde{m} = \lambda m^{*} =  \lambda \sum_{f} w^{*}_{f} e_{f}  = \sum_{f} \lambda w^{*}_{f} e_{f} =  \sum_{f} \tilde{w}_{f} e_{f}

となりやはり満たされます。

つまり、\{y^{*}_{i}\}, \{p^{*}_{i}\}, \{w^{*}_{f}\}, m^{*}が均衡条件を満たすのなら、任意の\lambda>0について、\{y^{*}_{i}\}, \{\lambda p^{*}_{i}\}, \{\lambda w^{*}_{f}\}, \lambda m^{*}も満すということです。これは均衡価格(名目値)が均衡条件体系において0次同次の関係を有していることを意味するので、均衡価格の0次同次性と呼ばれます。これから「名目価格の絶対水準は不決定」という命題が導かれます。

その三に続く



Similar Posts:

One Comment

  1. […] 2011年1月17日, Category: CGE, all, 研究, Posted by shiro.takeda. その二 & […]

Leave a Reply

スパム防止用認証(空欄に適切な数値を記入してください)。 * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)